我妻よ、なぜ故に
「いつまで入っているのぉ~!」
そう言って、なぜ故に貴女(あなた)まで
入って来るのでしょうか?
「いつまで入っているの?」
「私たちは、まだ入ったばっかりだって!」
「・・・。」
「そう、そこの黙秘を決め込んでいる貴方に
言っているのです!」
「あ、もしかして俺?」
「そぉ~です!」
想ってみれば、この子達に付き合わされて、
何気に長湯と成っている事は、事実である。
そして先程に娘達に、「想っている事に伴う
行動の責任が問われる」とも言った手前では、
その責任も問われる。
ここは・・・。
「っわ、私が何か・・・」
っと、謙虚な展開を・・・。
「まぁ、良いでしょう・・・。
既に反省もしているようなので、早々にと
出なさい!」
「っは、はい♪」
そそくさと、風呂場を逃げるような低姿勢で
出て行く私の姿を、娘達は、どう見ているのか?
謙虚な姿勢で前を隠しつつ、低姿勢で風呂を
出て行く父(おじさん)の姿は・・・。
『 むしろ、そっちの方が恥ずかしい! 』
っと、体を拭きながら、取り返しの付かない
過去の現実を反省しながら、寝巻きを着る。
食卓
既に、準備が整ってるのだが、他の者たちが
居ないのである。
箸(はし)を手に取り、茶碗の端を『 ちん♪
ちん♪ 』と叩けば、一曲ぐらいなら作れそうな
感じである。
想えば、生物学上、女の長湯は、有名であり、
その長湯が三匹で、風呂場を占拠しているので
ある。
目前には、美味しそうな、おかず達が「私を
食べ下さい♪」と言わんばかりに、並んでいる。
私は、犬でもなく、まして『待て!』と言う
指示も受けてないのだから、食べてしまっても
良いのかと思う。
でも、その誘惑に負けて、食べてしまえば、
順番的に、そろそろ出てくるであろう、年頃の
娘二人が、私の食事状況を見て、ああだ、こう
だと言うのであろう。
それを避けつつ、娘達が食事を食べ始めたら
『 私も・・・(むふふ) 』、それなら我妻も
攻め入る事は、不可能と思う目論みである。
さて準備は、万端!
なのに、未だ誰も風呂から出てこない。